※本記事はあくまで私自身の体験談をまとめたものです。
相続や税金、法律に関する判断は状況によって大きく異なります。
具体的な手続きや判断が必要な場合は、必ず弁護士や税理士など専門家にご相談ください。
はじめに
母親が突然亡くなったとき、私は深い悲しみの中で「相続」という現実に直面しました。
この記事は、私自身が体験した相続の出来事と、その中で感じたことをまとめたものです。
同じような状況に立たされた方にとって、少しでも参考や共感につながれば嬉しいです。
母が突然亡くなったときの状況
母は会社を経営しており、昼も夜も働いていました。
しかし、ある日急病で突然この世を去ってしまいました。
母の財務状況についてはほとんど聞かされていなかったため、会社にどのくらい借金があるのか、資産がどうなっているのか、一切分からないまま相続の問題に直面することになったのです。
相続放棄という決断
母の会社を継ぐかどうか、最初は本当に迷いました。
ですが調べていくうちに借金が多いことが分かり、最終的には相続放棄という選択をしました。
精神的にはとても辛い決断でした。
母の死の悲しみと、これからどうすべきかという不安が重なり、言葉にできないほどの感情の渦に巻き込まれていました。
相続放棄をする場合の注意点
相続放棄をする場合にとても大事なのは、被相続人の財産や借金に一切手をつけないことです。
- 預金を引き出す
- 財産を処分する
- 小額であっても借金を肩代わりして支払う
こうした行為をしてしまうと、それだけで「相続を承認した」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。
当時の私は暗証番号も分からずお金を下ろせなかったのですが、結果的にそれが正解でした。
知識がなくて動けなかったことが、むしろ自分を助けることになったのです。
だからこそ、こうした判断を誤らないためにも、弁護士や税理士に相談しながら進めることが大事だと痛感しました。
身内からの意見と違和感
母が亡くなった直後、身内からはいろいろなことを言われました。
- 「銀行口座が凍結される前に早くお金を下ろせ」
- 「とりあえず現金を確保した方がいい」
そのとき、私の中で少し違和感がありました。
結局、とりあえず何もせずに、まずは弁護士や税理士といった専門家に相談してから動くことにしました。
今振り返ると、身内は好きなことを言いますが、その言葉を鵜呑みにしてはいけないというのが大きな学びでした。
最終的に責任を取るのは自分自身だからこそ、専門家に相談して冷静に判断することが本当に大切だと思います。
専門家に相談することの大切さ
相続の手続きは複雑で、感情的にもとても大変です。
だからこそ、私は弁護士や税理士といった専門家に相談しました。
- 正しい手続きを進められたこと
- 精神的に少し安心できたこと
- 間違った判断をせずに済んだこと
これらは専門家に頼ったからこそ得られた大きなメリットでした。
葬儀費用と生命保険について感じたこと
相続の問題と並行して直面したのが葬儀費用です。
思っていた以上に高額で、母が生命保険に入っていなかったため、すべて自己負担となりました。
この経験から、最低限の生命保険には加入しておくべきだと痛感しました。
過剰に入る必要はないと思いますが、もしものときに備えることは残された家族にとって大きな支えになります。
生命保険は相続放棄しても受け取れる?
ちなみに、生命保険金は多くの場合「受取人固有の財産」として扱われます。
つまり、相続放棄をしても受け取れるお金です(受取人が「子」や「配偶者」などに指定されている場合)。
ただし、受取人が被相続人本人に設定されていた場合は相続財産に含まれるため、放棄したら受け取れません。
この点は誤解が多いので、補足として触れておきたいと思います。
親孝行について考えたこと
母は私が幼い頃から昼も夜も働き続けていました。
「親孝行したい」と思っていましたが、結局何もできなかったのではないかと悔やんだ時期もあります。
しかし、自分も親になり、子どもに対して思うのは「元気で、笑顔で、幸せでいてくれればそれでいい」ということです。
だからこそ、自分が幸せに生きることこそが最大の親孝行なのだと今では思えるようになりました。
備えの大切さと「親と金」
正直、生きているうちに「死んだときのこと」を話すのは難しいものです。
ですが、母の相続を経験して強く思ったのは、やはり事前にしっかりと話しておくことの大切さでした。
そして、自分に子どもがいるなら、自分自身も子どものためにしっかり備えておくことが何より大事だと感じます。
私もこれまでは「まだ先のこと」と思っていましたが、実際に直面すると本当に大変です。
だからこそ、他人事と思わず、元気なうちに備えておくことを強くおすすめします。
昔から「いつまでもあると思うな、親と金」という言葉がありますが、まさにその通りだと実感しました。
まとめ
母が突然亡くなったことで直面した相続の体験は、とても辛く厳しいものでした。
しかしそこから学んだのは:
- 生前に話しておくことの大切さ
- 財産や借金に一切手をつけないことの重要性
- 違和感を感じたら何もせずに専門家に相談する勇気
- 身内の意見は好き勝手であり、鵜呑みにしてはいけないこと
- 最低限の備え(生命保険など)が必要であること
- 生命保険は受取人が指定されていれば相続放棄しても受け取れること
- 自分が幸せに生きることこそ、親への最大の親孝行であること
- 元気なうちに備えておくことの大切さ
この体験談が、同じような立場にある方に少しでも参考になれば嬉しいです。
注意書き(再掲)
※本記事はあくまで私自身の体験談をまとめたものです。
相続や税金、法律に関する判断は状況によって大きく異なります。
具体的な手続きや判断が必要な場合は、必ず弁護士や税理士など専門家にご相談ください。
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