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四季の宿みのや宿泊記|屋上露天風呂・朝食・彌彦神社を本音レビュー【一泊二日】

青空に映える彌彦神社の一の鳥居 旅行
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新潟の彌彦神社(いやひこじんじゃ)

越後国一宮で、地元では「おやひこさま」と呼ばれて親しまれている神社です。写真で見た朱色の一の鳥居と、背後にそびえる弥彦山の緑。あの絵が頭から離れず、「いつか行きたい」と思い続けて数年が経っていました。

その「いつか」を、ようやく回収してきました。1泊2日、宿は門前町にある弥彦温泉「四季の宿みのや」

結論から言うと、行ってよかったです。初日は雨、翌日は快晴という両極端な天気に当たったのですが、これが結果的に大当たりでした。雨に濡れた参道の静けさと、青空に映える朱色の鳥居。同じ場所とは思えない2つの顔を、24時間のうちに両方見ることができたんです。

そして宿。屋上の露天風呂と、朝食の白米。この2つだけでもう一度泊まりたいと思わせる宿でした。

この記事では、彌彦神社の参拝レポートと「四季の宿みのや」の宿泊レビューを、実際に撮った写真とあわせて正直に書いていきます。


なぜ彌彦神社に行きたかったのか

雨に濡れた彌彦神社の一の鳥居

彌彦神社の御祭神は天香山命(あまのかごやまのみこと)。天照大神の曾孫にあたる神様で、越後の地に住む人々に海水から塩を作る方法、そして稲作や漁法を教えたと伝えられています。

つまり、新潟が米どころになった原点にいる神様なんですね。

新潟に行くたびに「米がうまいな」と思っていた身としては、その源流に手を合わせに行くというのは、なんだかとても筋が通っている気がしていました。しかも創建年代は不詳とされるほど古く、万葉集にも歌が残っている。歴史の厚みがまるで違います。

もうひとつ惹かれていたのが、参拝作法です。彌彦神社は一般的な「二礼二拍手一礼」ではなく、「二礼四拍手一礼」。出雲大社や宇佐神宮と同じ、四拍手の神社なんです。

普通と違う作法の神社って、それだけで「ちゃんと行って、ちゃんとやりたい」という気持ちにさせられませんか。


【1日目】雨の彌彦神社。想像していたより、ずっと静かだった

到着したのは午後。あいにくの雨でした。

でも、一の鳥居の前に立った瞬間、「雨でよかったかもしれない」と思いました。

濡れた石畳に朱色が反射して、色がぐっと深くなる。観光客もまばらで、聞こえるのは雨音と自分の足音だけ。晴れた日の華やかさとは別の、しんとした荘厳さがそこにありました。

余談ですが、この一の鳥居、よく見ると柱が台石から6cmほど浮いているそうです。豪雪と浸水への対策として、あえてそういう構造にしてあるとのこと。雪国の神社ならではの知恵ですね。知らずに通り過ぎるところでした。

参道の空気が、本当に良い

一の鳥居をくぐって拝殿まで、参道は約400m。両脇には樹齢を重ねた杉やケヤキが立ち並び、頭上を覆っています。

雨の日は、この木々が傘の役割を果たしてくれるので、思ったほど濡れません。それよりも、雨に濡れた樹皮と苔の匂いが立ちのぼってきて、これが本当に良かった。

雨の彌彦神社境内を歩く巫女

拝殿へ向かう途中、巫女さんが透明の傘をさして歩いていく後ろ姿に出会いました。白い衣に緋色の袴。雨の灰色の中で、この色だけが浮き上がって見えて、思わずシャッターを切った一枚です。

写真の左右に写っている屋根がけの仮設は、弥彦菊まつりの準備でした。毎年11月1日〜24日に開催される新潟県菊花展覧会で、境内が菊で埋め尽くされるそうです。10月中旬はちょうどその設営期間。

これはこれで「祭りの前の高揚感」があって面白かったのですが、菊が目当ての方は11月に行くのが正解です。この点は先に知っておくと計画が立てやすいと思います。

二礼四拍手一礼で参拝

拝殿は1915年(大正4年)の建立。想像していたよりも大きく、そして端正でした。

作法は前述のとおり二礼四拍手一礼。拝殿前に案内が出ているので、初めてでも迷いません。四拍手はリズムがつかみにくく、周りの人と微妙にズレるのですが、それも含めて「特別な場所に来た」という実感がありました。

御朱印の受付は8:30〜16:00です。祭典や季節によって変更される場合があるため、参拝前に公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。神社周辺には無料駐車場があります。


門前の甘味「弥彦プリン」で一服

参拝を終えて、門前町をぶらぶら。

彌彦神社門前にある弥彦プリンの店舗看板

目に留まったのが「弥彦プリン」のお店。弥彦MONZENカフェに併設されていて、ショーケースに小瓶入りのプリンがずらりと並んでいます。

黒糖プリン、バスクチーズケーキなど数種類。夕方の門前町は灯りがともり始めていて、この店先の明かりが妙に良い雰囲気でした。門前町らしい素朴なスケール感で、歩いていて楽しい通りです。

参拝後に甘いものを食べて休憩する、という流れがすっかり定番になっているようで、地元の方も観光客も入っていました。


【宿】弥彦温泉「四季の宿みのや」に泊まる

今回の宿は、彌彦神社の門前に建つ四季の宿みのや

弥彦温泉・四季の宿みのやの木製看板

風化した木目に「四季の宿 みのや」と彫り込まれた看板。「政府登録国際観光旅館」の文字も見えます。夜に到着したので、ライトに照らされたこの看板が最初の印象になりました。

神社の門前という立地が、とにかく便利です。JR弥彦線・弥彦駅からは徒歩約10分。翌朝、朝いちばんの静かな時間に神社へ歩いて行けるのは、この宿を選ぶ最大の理由になると思います。

ロビーが広い。昭和の温泉旅館の風格

四季の宿みのやのフロントとロビー

チェックインして最初に「おっ」と思ったのが、このロビーの広さでした。

四季の宿みのやの広いロビーと売店

格子天井、木を多用した内装、奥へ長く伸びる廊下。団体客を受け入れてきた大型旅館の風格があります。総客室数は66室。売店やラウンジもロビー沿いに並んでいて、館内を歩き回るだけでも楽しい。

最新設備のデザイナーズ旅館ではありません。カーペットの色褪せなど、年季を感じる部分は正直あります。ただ、こういう「日本の温泉旅館らしさ」がちゃんと残っている宿は、個人的にはむしろ好きです。手入れは行き届いていて、清潔感に不満はありませんでした。

客室は素直な和室

四季の宿みのやの和室客室

通されたのは10畳ほどの和室。手前に座卓と座椅子、奥に広縁の椅子とテーブル、窓の外には緑。

奇をてらったところは何もない、ど真ん中の和室です。でも旅館に泊まりに来たなら、これでいいんですよね。畳の匂いがして、窓を開けると外の空気が入ってくる。荷物を置いて、浴衣に着替えて、あとは風呂に行くだけ。

屋上の露天風呂が、この宿のハイライト

そして本題です。

この宿、屋上の露天風呂が最高でした。

みのやの大浴場は「彦星」「織姫」、露天風呂は「月まくら」「星まくら」という名前が付いています。名前からしてもう、夜に入ることを想定してるじゃないですか。

期待して上がってみたら、期待どおりでした。

四季の宿みのや上階から眺めた弥彦の夜景と月

遮るものが何もない。

湯に浸かりながら見上げると、藍色に沈んでいく空に月がひとつ。視線を下ろせば、弥彦の町の灯りと、その向こうに広がる越後平野の光。左手には弥彦山の黒いシルエット。

正直、温泉宿の露天風呂で「絶景」と言われる場所はいくつも行きましたが、ここは静けさの質が違いました。町自体が静かなので、聞こえるのは湯が流れる音だけ。10月の夜風は少し冷たくて、それが湯の熱さと組み合わさって、いつまでも入っていられる。

泉質はアルカリ性単純温泉。刺激が強くなく、ゆっくり浸かりやすい湯でした。実際、かなり長湯しました。

宿泊者の利用時間は早朝5:00〜深夜1:00で、9:30〜11:30は清掃時間です。夕食後でもゆっくり入れ、翌朝5時から朝風呂を楽しめるのもありがたいところ。明るい時間の景色も見に行けます。


【2日目】朝食の白米で、完全にやられた

翌朝。まずは朝風呂に行き、それから朝食会場へ。

四季の宿みのやの朝食会場

朝食はバイキング形式。天井が高く、明るい大きな会場です。和洋の定番がひととおり揃っていて、地元の惣菜も並んでいました。

で、ここからが本題です。

弥彦山を望む窓辺で食べた朝食と新潟県産米

米が、めちゃくちゃうまい。

これに尽きます。

焼き鮭、煮物、切干大根、漬物、味噌汁。おかずは素朴な旅館の朝食ですが、この白米が、おかずを完全に主役の座から引きずり下ろしてきました。

粒が立っていて、噛むと甘みが後から来る。冷めても味が落ちない。「新潟の米がうまい」というのは知識としては知っていましたが、体感するとまったく別物でした。旅館の朝食で白米だけをおかわりしたのは、たぶん初めてです。

前述のとおり、ここは稲作を伝えた神様を祀る土地。参拝の翌朝に、その土地の米を食べる。この順番で体験できたのが、今回の旅でいちばん腹落ちした瞬間でした。

そして窓の外。ガラス一面に朝日を浴びた弥彦山の緑が広がっていて、これが最高の朝食の景色になります。この席を狙うなら、朝食は開始直後に行くのがおすすめです。


快晴の彌彦神社を、もう一度

朝食のあと、荷物を宿に預けて、もう一度神社へ。

昨日の雨が嘘のような快晴でした。

青空に映える彌彦神社の一の鳥居

同じ鳥居です。同じ社号標です。でもまったく違う場所に見える

朱色が青空に抜けて、周囲の緑がぐっと明るくなる。昨日の静謐さも良かったけれど、この開放感はやはり格別でした。

朝日が差し込む彌彦神社の参道

参道も、朝の光が木々の間から差し込んで、地面に影の模様を落としています。空気が澄んでいて、深呼吸したくなる。

朝の参拝、本当におすすめです。 人がほとんどいません。門前に泊まる最大のメリットがこれだと思います。

彌彦神社の石鳥居と石段

石鳥居と石段を見上げるこのアングル。杉の巨木に囲まれた石段の先に、朱色の玉垣が見えます。

境内には見どころが点在していて、「玉ノ橋」は御手洗川に架かる朱塗りの太鼓橋。神様がお渡りになる橋とされていて人は渡れませんが、清流と朱色の対比が美しく、写真映えします。

もうひとつが「火の玉石(重軽の石)」。東参道にある2つの石で、願い事を念じながら持ち上げ、思ったより軽ければ願いが叶うとされる占い石です。素直に楽しい。

ほかにも鹿苑(鹿にエサやりができます)や、新潟県天然記念物の鶏を飼育する日本鶏舎など、境内は思った以上に「見る場所」が多いです。参拝だけなら30分ですが、ちゃんと回るなら1時間半は見ておくといいと思います。


弥彦山ロープウェイ。越後平野を一望する

最後に、弥彦山の山頂へ。

彌彦神社の拝殿左側から無料シャトルバスが出ていて、ロープウェイ山麓駅まで約3分。そこから山頂まではロープウェイで約5分の空中散歩です。

料金は大人往復1,500円(片道800円)、子供往復750円。運行時間は4月〜11月が9:00〜16:40、12月〜3月上旬が9:00〜16:00です。

弥彦山から一望する越後平野

これは、行ってよかった。

眼下に広がるのは越後平野。緑の田んぼが地平線まで続いていて、その向こうに日本海の水平線がうっすら見えます。刈り取り前の田んぼが、ひとつの巨大な緑の絨毯になっている。

弥彦山山頂から眺めた越後平野と日本海

「新潟の米がうまい理由」が、視覚で理解できる景色でした。この広さで、この水量で、この土地で作っているのか、と。前の晩に食べた白米と、この眺めが頭の中でつながった瞬間、旅の全部が一本の線になった気がしました。

山頂には「御神廟(ごしんびょう)」があります。御祭神とその妃神を祀るお廟で、標高634m——東京スカイツリーとまったく同じ高さの弥彦山頂に鎮座しています。拝殿での参拝とセットで訪れることで参拝が完成する、とされる場所です。せっかく上まで来たなら、ぜひ足を延ばしてください。


アクセスと費用のまとめ

彌彦神社

項目内容
所在地新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887-2
御祭神天香山命(あまのかごやまのみこと)
御朱印受付8:30〜16:00(変更の場合あり)
参拝作法二礼四拍手一礼
駐車場無料(時期により有料の場合あり)
アクセスJR弥彦線・弥彦駅から徒歩約15分

四季の宿みのや

項目内容
所在地新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2927-1
客室数66室
泉質単純温泉
大浴場彦星(男湯)/織姫(女湯)
露天風呂月まくら(男湯)/星まくら(女湯)
入浴時間5:00〜翌1:00(9:30〜11:30は清掃)
アクセスJR弥彦駅から徒歩約10分

弥彦山ロープウェイ

項目内容
料金大人往復1,500円/片道800円
所要時間約5分
運行時間4〜11月 9:00〜16:40/12〜3月上旬 9:00〜16:00
山麓駅へ彌彦神社から無料シャトルバスで約3分

行くならこう回る。モデルコース

一泊二日で回るなら、この順番がおすすめです。

【1日目】
午後に到着 → 彌彦神社を参拝 → 門前町を散策(弥彦プリン)→ みのやにチェックイン → 夕食 → 屋上露天で夜景

【2日目】
朝風呂 → 朝食バイキング(白米を全力で味わう)→ 朝の彌彦神社を再訪 → ロープウェイで山頂・御神廟 → 帰路

ポイントは、神社を1日目の夕方と2日目の朝、2回訪れること。門前に泊まるからこそできる回り方で、同じ場所の違う顔を見られます。今回はたまたま雨と晴れという極端な組み合わせになりましたが、天気が同じでも、夕方と朝では光がまったく違うはずです。


まとめ:期待して行って、期待を超えてきた場所

ずっと行きたかった彌彦神社。

正直、こういう「長年憧れていた場所」って、実際に行くと少し拍子抜けすることもあります。でも今回はまったくその逆でした。

良かった点

  • 雨の日の参道の静けさと、快晴の朱色。どちらも忘れがたい
  • 二礼四拍手一礼という作法が、参拝を「特別な行為」にしてくれる
  • 門前の宿に泊まると、朝いちばんの静かな境内を歩ける
  • みのやの屋上露天風呂からの夜景。遮るものがない開放感
  • 朝食の白米。これは本当に、これだけで泊まる価値がある
  • ロープウェイ山頂からの越後平野。米どころの意味が視覚で分かる

気になった点

  • みのやは大型の老舗旅館なので、館内に年季を感じる部分はある。最新設備を求める人向けではない
  • 菊まつり期間(11月1日〜24日)以外は、境内に設営中の仮設が立っていることがある
  • ロープウェイは天候次第。山頂は風が強いので、10月でも一枚羽織るものがあると安心

新潟へ行く理由として、彌彦神社と弥彦温泉は十分すぎるほど強いと思います。そして米を食べに行く旅として考えると、これ以上に筋の通った目的地はなかなかありません。

次は菊まつりの時期に、もう一度。

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