『スマホ脳』を読み終えたとき、私は「自分も無意識にスマホへ注意を奪われていたかもしれない」とゾッとしました。
ただし、本書はスマホを一方的に否定する本ではありません。便利な道具だからこそ、脳の仕組みを知り、自分で使い方を選ぶことの大切さを考えさせてくれる一冊です。
この記事の結論
- スマホをなんとなく開いてしまう人には、気づきの多い本
- 集中力・SNS・睡眠・運動という身近なテーマから理解しやすい
- スマホを捨てるのではなく、通知や置き場所を見直すきっかけになる
私は読後、通知を減らし、寝る前はスマホと距離を置くようになりました。
『スマホ脳』とは?基本情報
| 著者 | アンデシュ・ハンセン |
|---|---|
| 翻訳 | 久山葉子 |
| 出版社 | 新潮社 |
| 発売 | 2020年11月 |
| 形式 | 紙・電子書籍 |
著者はスウェーデンの精神科医です。本書では、人間の脳が急速に普及したスマホやSNSへどのように反応するのかを、研究や事例を交えて説明しています。書誌情報は新潮社の公式ページでも確認できます。
読みやすい文章ですが、表現はやや強めです。私は「すべての人に同じ影響が出る」という意味ではなく、自分の生活を見直すための材料として読みました。
要約|印象に残った4つの内容
1.注意がスマホに奪われやすい
本書で繰り返し扱われるのが「注意」です。通知が鳴っていなくても、スマホが近くにあるだけで気になってしまう。その小さな中断が積み重なると、目の前の仕事や会話へ集中しにくくなると説明されています。
私にも、調べもののためにスマホを開いたのに、いつの間にか別のアプリを見ていた経験があります。読後は「意志が弱い」と責めるより、通知や置き場所を先に変える方が現実的だと感じました。
2.SNSの比較と承認欲求
SNSでは新しい投稿や反応がいつ来るか分かりません。本書では、この「次が気になる」仕組みが、何度も画面を確認したくなる行動につながると説明されています。
また、他人の良い場面ばかりが目に入り、自分と比較して疲れることもあります。SNSそのものが悪いというより、目的もなく見続ける時間が増えていないかを振り返ることが大切だと思いました。
3.スクリーンと睡眠
本書では、夜のスクリーン利用と睡眠の関係も取り上げられています。寝る直前まで情報を追い続けると頭が切り替わりにくく、つい就寝時刻も遅くなります。
私は「絶対に触らない」と決めると続かなかったので、まずは寝る1時間前を目安に、スマホをベッドから離すようにしています。
4.運動という対策
意外だったのは、スマホを遠ざける方法だけでなく、運動の重要性にも多く触れていることです。じっと画面を見る時間が長い日ほど、短い散歩でも身体を動かす時間をつくる。この考え方は取り入れやすいと感じました。
スマホ利用による疲れを感じたときの私自身の工夫は、疲れをためにくい習慣の記事にもまとめています。
読後、街の景色が違って見えた
本を読んだ数日後、街中で周りを見てみると、電車待ちの人も、信号待ちの人も、多くがスマホを見ていました。
以前なら気にしなかった光景です。けれども、その中には当然、自分もいます。「周りの人がおかしい」という話ではなく、私自身がスマホを見る回数の多さに初めて気づいた瞬間でした。
スマホを使っているつもりでも、気づけば習慣に動かされていないか。
この問いを持てただけでも、読んだ価値がありました。
「目的のある使用」と「なんとなく使用」は違った
私が一番実感したのは、スマホを使った時間の長さだけではなく「何のために開いたか」で疲れ方が違うことです。
- 目的のある使用:地図を見る、予約する、調べものをする、連絡する
- なんとなく使用:手持ち無沙汰でSNSを開き、次々と投稿を見る
前者は「自分で道具を使っている」感覚があります。一方、後者は終わるきっかけがなく、見たあとに頭が重く感じることがありました。これはあくまで私個人の感覚ですが、利用時間だけを責めるよりも役立つ視点でした。
私が始めた4つの対策
1.急ぎでない通知をオフにする
SNSや買い物アプリなど、すぐ確認する必要のない通知を減らしました。必要な連絡まで切らないように、自分の生活に合わせて選んでいます。
2.寝る前はスマホをベッドから離す
寝る1時間前を目安に、手の届かない場所へ置きます。完璧にできない日があっても、充電場所を変えるだけなら続けやすいです。
3.何も見ない時間を短くつくる
移動中や待ち時間に、あえてスマホを開かない時間をつくりました。最初は落ち着きませんでしたが、「退屈になったらすぐ画面」という流れに気づきやすくなりました。
4.ホーム画面を整理する
よく開いてしまうアプリを1ページ目から外し、必要に応じて画面をグレースケールにします。アプリを削除しなくても、開くまでのひと手間を増やせます。
『スマホ脳』をおすすめする人
- 用事がないのにスマホを開いてしまう人
- SNSを見たあとに疲れや比較を感じる人
- 仕事や勉強中の集中を見直したい人
- 家族とスマホの使い方を話すきっかけが欲しい人
反対に、穏やかな実用書や具体的な設定手順だけを求める人には、表現が強く感じられるかもしれません。読者に危機感を促す書き方が多いため、すべてをそのまま自分へ当てはめず、参考になる部分から試す読み方が合うと思います。
読む前に知っておきたい注意点
本書はスマホ利用について考えるきっかけになる一方、個人の状態を診断したり治療したりするための本ではありません。この記事も書籍の要約と私個人の体験であり、医学的な診断や治療の代わりになるものではありません。
睡眠や気分、生活への影響が長く続いて困っている場合は、自己判断だけで抱え込まず、医療機関など専門家への相談を検討してください。
『スマホ脳』についてよくある質問
スマホを使うな、という本ですか?
私はそのようには受け取りませんでした。スマホやSNSが注意を引きつける仕組みを知り、使い方や環境を見直すための本だと感じています。
要約だけ読めば十分ですか?
主な論点はこの記事でも紹介しましたが、本書には具体的な事例や著者の説明があります。なぜ対策が必要なのかまで納得したい人は、本編を読む価値があります。
紙と電子書籍のどちらで読めますか?
新潮社の公式ページでは、紙の書籍と電子書籍が案内されています。価格や在庫、対応端末は購入先で最新情報をご確認ください。
最初に一つだけ変えるなら?
私は「急ぎでない通知をオフにする」か「寝る場所からスマホを離す」のどちらかがおすすめです。費用がかからず、元へ戻すのも簡単です。
まとめ|スマホを手放すより、使い方を選ぶ
『スマホ脳』を読んで一番変わったのは、スマホを敵だと思うようになったことではありません。無意識に開く前に「何のために使うのか」と一度考えられるようになったことです。
スマホは便利で、私も毎日使います。だからこそ、通知・置き場所・ホーム画面を少し整え、自分が使う側でいられる時間を増やしたいと思っています。


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